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Nobukazu Takemura - Child And Animals In The Forest

「そろそろおうちにかえらなくちゃ・・・」

森の中で、お気に入りのぬいぐるみと一緒に
一人遊びに夢中になっていた少年は、
何時の間にか、あたりが薄暗くなっていることに気が付いた。

「くまさんもおうちにかえるよぉ!!」

彼が「くまさん」と声をかけたそれは、
くまのぬいぐるみにしては、尻尾がやたらと長く、むしろ猫に似ていたが、
いずれにしても、くるくると丸い目玉が愛くるしい、
良く手をこめて作られたものだった。

「こんなによごれちゃって・・・おこられちゃうよ?」

『お・・・おなか・・・すいたの・・・』

家に帰れば、きっとあつあつスープと、はちみつたっぷりのパンケーキがまってるよ!

そう声をかけて、少年は歩き出した。

・・・一見するととても奇妙なやり取りだが、これは彼らの世界にしてみたら、
ごく当たり前のことだ。

"彼"は確かにぬいぐるみかもしれないが、しかし、少年にとってぬいぐるみと、
実際の動物との違いは無いに等しい。

他者と自己との境界があいまいな世界においては、
能動的動作を見せるか、受動的動作を感じされるかといった相違は、
あまり意味をなさないからだ。

自己紹介が遅れてしまったが、"私"はこの森の"観察者"である。

森の"観察者"といっても聞こえが悪いかもしれないが、どこの森にもいる存在だ。
いや、森だけではなく、いたるところに我々"観察者"はいる。

ただ"観察者"は、"観察"する対象に自身が影響を及ぼさないよう、
概ねその存在を隠し、また世間一般的にもその存在が認められていないがために、
こうして密かに、"対象"を、捉らえることができるのだ。

「あ!あそこにもうおつきさまがでてるよ!」

『はちみつたべたい・・・』

長かった一日も、この"観察"が最後の仕事となるだろう。

いつもと変わらない一日だったかもしれない。

私自身、この仕事の"意義/目的"がわからなくなり、
時々、誰かに"観察"されてしまいたくなる。

しかし、そのようなことなど許されようはずがなかった。

どこまで行っても出口の無い、この世界から抜け出す方法は唯一つしか無い。
それを理解しているか、否かで、随分と違うものだ・・・。

どうやら、少々しゃべりすぎたようだ。
そろそろ筆を置く事にしよう。

きっといつの日か、この"観察日誌"を読む人が現れんことを祈って。





・・・10年一昔と言いますが、この作品がリリースされてから早9年が経ち、
竹村延和の作品は、どれも廃盤で手に入りづらいという状況になってしまいました。

それでも、このアルバムは彼のカウンター・ポイントとなった重要作ですし、
中古盤屋で見かけることがあれば、音響~Experimental~Electronicaファンのみならず、是非手にとって聴いてもらいたいものです。

彼のアルバムの中で、一番好きな作品です。
こどもと魔法
こどもと魔法
  • アーチスト: 竹村延和
  • 発売元: ワーナーミュージック・ジャパン
  • レーベル: ワーナーミュージック・ジャパン
  • スタジオ: ワーナーミュージック・ジャパン
  • メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1997/12/15
  • 売上ランキング: 151701
□アルバム"こどもと魔法/Child and Magic"収録
Tsutayaで視聴ができます
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